清水焼団地の恒例行事、「陶器まつり」が今年も近づいてきた。7月18日~20日までの3日間で、祇園祭の翌日より開催されることから、遠方からの観光客も多く、来場者は毎年8万人を数えるという。
清水焼・京焼きを中心とした多彩な、約100店舗もの出展数があり、出品数となれば百万点を超える。それらが、通常価格の3割~5割安で取引されるので、陶器ファンならずとも、ぶらっと足を運んでみたいお祭りだ。
「清水焼でこれだけの数が揃うのは、日本でも最大規模でしょう。陶器はどうしても高いというイメージがあるんですが、ここでは格安で買えますし、何か欲しいものが見つかるかもしれません。」
実行委員長の加島英一さんは話す。
店舗の他、絵付けや陶芸教室といった体験ブースや、フードコーナー、お茶席、子供が泥んこの土と触れ合える「泥んこ広場」など、家族連れでも楽しめるアミューズメントパーク的な要素も充実している。
「若い方からお年寄りまで、さまざまな年齢層の方に喜んでもらえるように考えています。“泥んこ広場”は特に好評ですね。子供たちが裸足になってはしゃぐ姿が毎回見ていて楽しいですね」
加島さんは、実行委員長の任を担って20年。長いキャリアの中で、加島さんが祭りで続けていることは、毎年同じメニューを並べるのではなく、常に新しいものを企画していくことだ。
陶器と密接な関係のある、料理の盛り付け講座を開いたり、神田川俊郎さんや辻調理師専門学校教授を招いての料理教室を開講したり、加島さんの発案で、様々な工夫がなされてきた。陶器祭りの来場者の多くがリピーターというのも、そんな加島さんのアイデアがあるからかもしれない。
「今年の陶器祭りが終わる前から、もう来年の陶器まつりのことを考えていますね。どんな企画を出そうかと」
今年は、「我楽多市」が新企画。セット物のバラ売りや、普段の店舗には出ない陶器たちが販売されるので、思わぬ掘り出し物を見つけるのも面白いだろう。また、大河ドラマ「義経」にちなんで、六波羅蜜寺収蔵の平清盛像のパネル展示がある。
清水焼団地のほど近くには、勧修寺、随心院、大石内蔵助ゆかりの大石神社、岩屋寺など、隠れた名刹もあるので、陶器まつりとともに、足を伸ばしてみてはいかがだろうか?
実行委員長を長く務めていますと、時々、来場者の方から、手紙をもらうことがあります。喜びの言葉であったり、祭りに対する要望の手紙であったりと、様々な声は、とても励みになっています。
今年で31周年を迎えますが、訪れてくれる人が満足できるように、続けていきたいと思います。